<2003年10月4日 夕刊 5面>

小規模作業所でひきこもり支援/那覇ふぃーるど・ぱわー
社会復帰へ「居場所」づくり/体験基に高良千春さん開設

 ひきこもりや統合失調症の人々の居場所として、小規模作業所「ふぃーるど・ぱわー」が那覇市牧志で活動している。自身もひきこもりの体験がある代表の高良千春さん(35)が開いた。高良さんは「ひきこもりの人々の社会復帰には、家以外に安心できる居場所がどれだけつくれるかだ」と考える。5日にはグループホームも立ち上げ、社会復帰のための場所づくりを進める。

 代表の高良さんは、結婚や転職といった大きな転機が重なったため「社会とのかかわりがわずらわしくなり」ひきこもった。「なんで自分はこうなんだと責め、消えてなくなってしまいたい」という考えにとらわれ、部屋で眠り続けた。

 ただ周囲とのかかわりの中で「怠けているのではなく、頑張りたい気持ちが今はなくなっているだけ」と思い直せるようになった時、徐々に外へ出て行けるようになった。

 自身の体験から必要性を感じたのがストレスをなくすための居場所づくりだ。

 小規模作業所「ふぃーるど・ぱわー」はパソコンで会社の書類や活字のデータ入力、年賀状作成を行っている。ひきこもりや統合失調症、強迫神経症の二十代から三十代の十五人が登録。うち定期的に通い仕事をするのは六人。居場所を求めて、自ら探してきた人、ほかの作業所から移ってきた人、仕事はしないが皆と過ごすためだけなど、さまざまな人が通う。

 パソコンが並ぶ事務室は音楽が流れ、ゆったりとした雰囲気だ。通って二週間という女性(23)は「パソコンのチャットが好きなので作業は苦にならない。仲間もいて楽しい」と笑顔をほころばせる。男性(35)は「職場という堅苦しさがないのがいい」と話した。昨年十二月から通う男性(26)はさまざまなソフトを使えるようになった、という。

 高良さんは「ひきこもった後、社会に出るには相当のプレッシャーがある。もう一度外へ出てまたつぶれたらどうしよう、そんな考えにとらわれてしまう」と話す。それでも、家と社会をつなぐ、安心できる居場所や、仕事でも勤務しやすいシフトを作るなどでひきこもりの人が再び社会に参加しやすい形をつくることが大事と強調する。

 作業所とグループホームの問い合わせは、NPO法人「ふぃーるど・ぱわー」、電話098(862)3061。